コロナウイルスのワクチン開発を進めている会社を紹介!開発状況と合わせて、わかりやすくまとめ!!

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寒くなるにつれて、新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。
そんな中、多くの人に期待されているのがワクチン開発です。

今回はワクチン開発に携わっている国内外の企業の紹介と、研究開発の進捗、人間が最も早く摂取できる臨床試験の状況に着眼点を置いて、2020年11月23日時点の情報でまとめていきます。

※2020年11月28日 アストラゼネカの更なる臨床試験について追記
※2020年12月13日 日本とアストラゼネカの正式契約について追記
※2020年12月14日 海外でのファイザーの実用化について追記

ワクチン開発の流れ

よくニュースで「臨床試験の第〇相まで終わりました」などと言われますが、それだけでは状況がわかりにくいので、一度、ワクチン実用化までの流れを確認しておきます。

ワクチンの実用化は下図のような流れで行われます。

主なステップは「基礎研究」「非臨床試験」「臨床試験」の3つです。さらに、その中の臨床試験は3つのフェーズで構成されます。(第2相、Phase2などと呼ばれているものです。)

なので基礎研究 → 非臨床試験 → 臨床試験第1相 → 第2相 → 第3相 の5ステップだと思っていただければ良いです。
(厳密には承認などのステップもありますが、国の対応などを見ると、ここよりも研究開発の方がボトルネックとなりそうなので割愛します。)

内容について簡単に言うと、基礎研究は文字通り新薬の生成等、非臨床試験は動物実験です。臨床試験は人間での実験で、今回のような新薬の場合は治験とも言われます。
臨床試験の第1相は健康な人での試験。第2相は症状の重さや年齢などの差を見ながら試験。第3相は多人数で統計的に試験。と言うことができます。安全性などを確認しながら、投薬対象の幅や大きさを拡大していきます。

※2020年11月26日追記 新薬開発で行われる試験の流れについての記事をリンクしました。
 プラセボと言ったニュースでよく耳にするワードも取り扱っているので、良ければご覧ください。

https://ne9fa76fd.com/%e3%83%af%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%b3%e3%81%ae%e3%82%88%e3%81%86%e3%81%aa%e6%96%b0%e8%96%ac%e9%96%8b%e7%99%ba%e3%81%a7%e3%81%af%e4%bd%95%e3%82%92%e3%81%99%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b%ef%bc%9f%e8%87%a8-381

通常、ワクチン開発は数年単位で行われるもので、実用化までに10年以上かかることもあります。しかし、新型コロナウイルスに早急に対応するため、開発を進める企業も承認する側の政府も急ピッチで進めています。通常10年、と考えると現在の開発スピードが凄まじい速度であると言えます。

これら知識を踏まえた上でワクチンを開発している各社が、どの状況にあるか見ていきましょう。

どんな企業が開発しているのか?進捗状況は?

ワクチン開発は世界中の多くの企業で開発を進めています。

ここではそれら多くの企業の中で、日本の厚生労働省が公表している ≒ ワクチンが日本で採用される可能性が高い企業についてまとめます。既に契約済みの企業もありますね。

海外の企業

日本が直接的に契約しているモデルナ、ファイザー、ストロゼネカの3社についてはニュースで耳にすることが多いでしょう。

国は「国民全員にワクチンが行き渡るようにする」と公言しています。
2020年11月時点の統計で、日本の人口は約1億2600万人であるのに対して、上記3社との契約では1億4500万人分のワクチン確保を契約しているので、契約通りに事が進めば海外の3社だけで日本国民全員分のワクチンが確保できることになります。

以下、その他企業も含めて、厚生労働省が公表している企業を見ていきましょう。

モデルナ:2500万人分で契約締結。臨床試験の最終段階まで進んでいて期待が高まる

モデルナはアメリカのマサチューセッツ州にある、バイオテクノロジー企業です。シンプルな名前なので印象に残りやすいですね。就業人数は830人で、企業より研究機関に近いイメージです。

モデルナは2010年に設立していて、コロナ以前からmRNAという遺伝情報を伝達する物質の研究をしていました。DNAと同等の遺伝子レベルの研究を進めることでコロナ以前にも肝疾患などに対する治験を進めてきました。技術力の高さから注目・投資を集めつつも、人体での臨床試験が認可されないことが多かったのですが、コロナへの緊急対策に向けてアメリカ政府に認められ、臨床試験が認可されることとなりました。

開発の状況は、2020年11月17日時点で臨床試験の第3相試験途中という状況です。アメリカの臨床試験では最終段階となり、国の研究機関と協力して試験を進めているので日本に来る前の最後の試験です。
日本には2021年01月~06月で2000万人分2021年07~09月で500万人分のワクチンを提供するということで契約が完了しています。

臨床試験のデータでも94.5%という高い有効性が確認されていて、保管条件もマイナス20℃と比較的緩いので、現段階で最も期待が高まっていると思われます。

ファイザー:世界2位の大企業。臨床試験も完了しているが、課題が残る?
→12月08日イギリスで、12月14日アメリカで実用化開始!

ファイザーはアメリカのニューヨーク州に本社がある製薬会社です。日本にもファイザー株式会社を東京の渋谷に設立していて、世界の従業員数は9万人近くにも上る大企業です。2019年12月期決算では製薬会社の売上で、世界ランキング2位です。(ちなみに、後に出てくるジョンソン&ジョンソンは6位、日本の武田製品工業は9位)

1849年に設立していて、薬局でも見かける睡眠薬ハルシオンなど多くの種類の薬を扱っています。またED治療薬として有名なバイアグラを開発した企業でもあります。
近年は新薬の研究開発の調子が一時ほど芳しくなかったので、今回の新薬開発でそのようなイメージも払拭することも期待されています。

開発の状況は、2020年11月18日時点で臨床試験まで完了としており、後述の理由から限定的な使用許可をアメリカの組織に申請している最中です。
日本とは契約締結までは至っていませんが~2021年06月で6000万人分のワクチンを提供するということで基本合意しています。

臨床試験のデータでも95%という高い有効性が確認されていますが、2度目の接種に際して5%未満の人が倦怠感や頭痛を覚えたという結果等を踏まえ、限定的な使用許可を申請しています。(ファイザー曰く、重大な安全上の懸念は無いとのこと。)

保管条件がマイナス80℃と厳しいこともあり、上記のような副作用の懸念もあるので受け入れには厳重な体制が日本にも求められるでしょう。

※2020年12月14日追記
ファイザーの臨床試験結果が認められ、12月08日にイギリスで12月14日にアメリカで実用化が開始されました。
イギリスではその後、アレルギーを持った人にアナフィラキシーと見られる反応があったことから、「アレルギーを持つ人は接種を止めるように!」と注意勧告がありました。
追記ここまで

アストラゼネカ:イギリスの大手製薬会社。今以上に有効性を上げていけるのかに注目

アストラゼネカはイギリスのケンブリッジに本社がある企業です。ファイザー同様、日本にも子会社があり、世界中の従業員数は7万人にも上るという、こちらも大企業です。スウェーデンに本社がある医薬品メーカーであるアストラと、イギリスの医薬品会社ゼネカが合併してアストラゼネカとなりました。

アストラゼネカとしての設立は1999年で、2014年には上述のファイザーに買収される話も挙がりました。コロナワクチンの開発をオックスフォード大学と協力して進めています。

開発の状況は、2020年11月23日時点で臨床試験第3相の試験途中です。進捗こそ差はあるでしょうが、段階はモデルナと同じです。
日本とは契約締結までは至っていません6000万人分のワクチンを提供するということで基本合意しています。ただし、時期については未定で、大まかに2021年の早い段階としています。
※2020年12月13日追記
アストラゼネカと正式契約が結ばれました。
ワクチン提供は基本合意と同じく6000万人分(1億2000万回分)です。
内、1500万人分は2021年03月末までに供給される予定になっています。
追記ここまで

2020年11月23日の途中経過では、有効性は70.4%と上述の2社より低いですがアメリカ政府が求めている最低50%はクリアしています。用法等により有効性は90%まで上がるともみられていますし、そもそも有効性90%が予想を大きく上回る高さなので、決して有効性が低いという訳ではありません。(インフルエンザのワクチンも50%程度ですし)

※2020年11月28日追記
アストラゼネカの途中経過報告について、欧米のメディアから以下2点の指摘を受けました。
・有効性90%とされた一部グループについて、投与量が計画と異なっていた点
・そのグループの人数が他より少なく、また重症化リスクの低い55歳以下の人に偏っていた点

この指摘を受け、アストラゼネカは追加の試験を行うとしています。
アストラゼネカのあるイギリスではワクチン承認のプロセスに影響しないとしていますが、日本やアメリカなどには承認が遅れる可能性が浮上しました。
追記ここまで





上で紹介した3社以外にも、以下の企業で開発が進められていると厚生労働省によって公表されています。
今後動き次第では、これら企業と契約を結ぶことも大いに考えられます。現段階では報道されている情報も少ないですが、簡単に紹介していきます。

ジョンソン&ジョンソン:海外で先行する形で臨床試験を実施中。

リステリンなどでお馴染みのジョンソン&ジョンソンです。本社はアメリカのニュージャージー州にあり、全世界で13万人もの従業員を持つグローバル企業です

2020年09月24日、6万人を対象とした臨床試験の第3相を開始しましたが原因不明の疾患が発生した関係で試験を一時中止していました。これについては11月20日に試験を再開しています。試験再開に伴い、ワクチンの一回投与をポリシーとしていたジョンソン&ジョンソンがワクチンの2回投与を行うという珍しい形になりました。

また、日本国内でも2020年11月16日に臨床試験の第1相を開始しています。

サノフィ:フランスの大手製薬会社。COVAXには入っていない

サノフィはフランスの製薬会社で、世界中に10万人ほどの従業員がいます。吸収合併により2004年に設立したことになります。(合併前の原型ができたのは1999年)

サノフィは2021年12月までに20億回分(10億人分?)のワクチンを提供すると公表しています。しかし、世界的なコロナウイルスワクチンに関する組織である、COVAXファシリティには属していません。日本が直接コンタクトを取っていないのは、その関係もあるのでしょうか…?
(日本は2020年09月21日にCOVAXファシリティに参加しています。)

日本にも子会社はありますが、日本では臨床試験を進めていないようです。

2020年09月03日に臨床試験の第1相、及び第2相を開始していて、2020年12月の結果を以て規制当局へ承認を要求する予定とのことです。結果にもよりますが、今回の試験で第3相は必要ないとするデータまで取る予定のようです。

ノババックス:イギリスでデータを積み増している。日本ではタケダが流通の鍵を握る

ノババックスはアメリカのメリーランド州にあるワクチン開発企業です。従業員数は400人弱と、大手製薬会社に比べると少ないです。こちらもモデルナ同様、研究機関のイメージが強いです。

臨床試験は2020年09月からイギリスで第3層試験を開始しており、11月末までにはアメリカ・メキシコでも試験を行う予定です。

日本での流通に関しては、2012年からワクチン事業を強化している武田薬品工業(通称:タケダ)が先導して行う形になります。試験が完了した後、ノババックスがタケダにワクチン原液を渡して、タケダが国内に流通させる予定です。厚生労働省はタケダに生産体制の補助を行なっているので、タケダを介して繋がっている状態です。
タケダは1年間で2.5億回分、すなわち1年で国民全員分のワクチン生産ができるような環境を構築すると発表しています。

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