携帯料金値下げの目的は何か?大手3社や格安スマホの動向と合わせてまとめ

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「携帯料金値下げ」多くのユーザと菅首相、武田大臣が望んでいますが、中々実現しません。2018年から様々な応酬が続いていて、携帯会社から新プランが発表されては落胆…を繰り返しているように感じます。

コロナで苦しい家計も多いユーザとしては早く早くと値下げを待ち望んでいる人もいらっしゃるでしょう。
また、一方で政府の過度な干渉で問題点を述べる専門家もいらっしゃいます。

今回は携帯料金値下げに関する2018年からの大まかな流れと、値下げによる問題点をまとめます。

携帯料金値下げの流れ

政府の発言と2020年までの流れ

2018年の流れ:きっかけとなった菅官房長官の発言

携帯電話値下げのきっかけとなったのは2018年08月21日、菅官房長官の発言です。まだ総理大臣に就任する前の出来事ですね。
(厳密には2015年の安倍首相による言及などもありますが、メッセージ性が弱く、あまり話題になりませんでした。)

そこでは「携帯電話の料金は不透明で、他国に比べて高すぎる。4割程度は下げられる余地がある」と述べられていました。
その後、政府の有識者会議『モバイル市場の競争環境に関する研究会』が立ち上げられ、不定期ながら開催されています。
(有識者会議について詳しく知りたい方は、こちらのリンクから飛べます。ただ、配布資料や議事録は文字だらけで、なおかつ要点を押さえたものでもないので、非常にわかりにくいです。)

政府が市場に干渉するというのは珍しいですね。また、”4割”と具体的に数字を出した点や、その割合の大きさからもインパクトの大きなニュースでした。
近年では携帯電話を所持していない人のほうが少ないですので、関係する人が多いのは言うまでもないでしょう。

しかし、これに対して携帯大手3社であるドコモ・ソフトバンク・auは、値下げに踏み切る意思をみせつつも、2018年は大規模な値下げは行われませんでした

2019年の流れ:法改正されるも…

2019年の政府の動きとして大きいのは法改正です。『電気通信事業法の一部を改正する法律』として05月17日に公布、10月01日に施行されることが決まりました。

2018年の大手3社の動きが無かったことに対しての政府の対応となります。
法改正の内容としては「通信料と端末代の分離」「行き過ぎた囲い込み(←いわゆる2年契約)の是正」「契約解除料1000円」などが入っています。

法律が変わるので大手3社としては法の施行までに対応をせざるを得ません。しかし、3社が打ち出したのは家族契約など条件付き値下げだったので、結果的に2019年も、政府やユーザを満足させるものにはなりませんでした。

2020年の流れ:年末ついに、メインブランドの値下げへ

2020年になって安倍首相が総理を辞任されて、菅首相が総理に就任することになりました。この関係で今まで菅官房長官が進めていた本件は、武田良太 総務大臣が引き継いでいます。

サブブランド(Y!モバイル、UQなど)で料金を値下げするなどありましたが、やはり3社のメインブランドは中々動かない状況…。
これに対し武田大臣は「メインブランドで下げなければ意味はない!」と一喝。政府から、さらなる圧をかける形になりました。

そんな中、大きな一歩を踏み切ったのは、またもやドコモです。
ahamoという若者向けの割安プランの発表を行い、プラン限定とはいえ、ほとんど条件のない割引内容となっています。(新プランなので、厳密には値下げではないのですが…)

ただ、値下げの幅が小さいことや一番人気のプラン『ギガライト』の値下げが行われなかったこともあり、ユーザの中には不満足の声も多いですが、
今までより高い評価を得ており、武田大臣も満足げな様子です。

これに続きauなども値下げの発表をしていますが、まだまだ条件付きだったりするので、ようやく本格的な値下げの流れができた今、2021年以降の値下げに期待ですね。

値下げについての問題点

値下げと聞けばユーザとしては嬉しいですが、反対に、様々な側面からこの動きを問題視する声も上がっています。

値引きのしわ寄せで結果的に損をする懸念

こちらは現段階で明確になっていない問題点です。
あくまで専門家の予想によるものですが、可能性は十分にあると思われます。

品質の低下

値下げと聞いて真っ先に思い浮かぶのはこれでしょう。
携帯電話の場合は電波の安定性や通信速度などが対象となります。

そもそも、携帯電話などの電波に関するものはベストエフォートと言って、品質に関する明確な基準はないことがほとんどです。(ひとことで言えば「極力がんばります!」というもの)
価格低下を理由に品質を下げられても、よほどひどくない限りは文句を言う根拠が存在しないのです。

「海外の方が安い」理論を通してしまえば「海外と同程度の品質にすれば良い」とも捉えることができてしまうため、非常に危険な諸刃の剣と言えるでしょう。
(世界的に見ても、日本の電波サービスはトップクラスの品質・満足度を誇ります。)

サービスの有料化

現段階では実施されていませんが、基本価格を下げるために他のサービスを削るということはあるでしょう。
そうなると、今まで無料で受けられていたサービスが有料となる可能性があります。
すると、無料サービスの恩恵を受けていた人にとっては損をしてしまいます。

似たような例では航空業界におけるLCCが近いでしょう。
LCC(Low-Cost Carrier)は格安航空のことで、一般の空港会社より安いのが特徴です。一方で、提供されるサービスは最低限のもので荷物運搬や機内食に別途料金がかかります。
通常の航空会社同等のサービスを受けようとするとLCCの方が高くなってしまうこともザラにあるため、携帯電話市場でもサービスの有料化が実施されたら同様のことが起こり得るでしょう。

政府が干渉するという問題

企業側の自由を制限する

政府が企業に干渉するというのは、様々な問題を孕みます。

経済学的には政治と市場競争は切り分けるべきですが、今の政府の行動はこれに反します。

また技術という点についても問題が起こります。
企業にとっては、今後ユーザのためになる技術投資などをためらわなければいけない状況にもなり得るので、
結果的にユーザにとっては「価格で得してサービスで損する」ような状況になるだけでなく、他国としたときの日本自体の競争力低下も危ぶまれます。

意図が見えない→スマホ税などの噂も…?

これは問題というよりは疑問なのですが、そもそもなぜ政府が干渉するのでしょうか?
政府は「利益率が高すぎる」「他国と比べて高い」などと答えていますが、他にも似たような市場はあるでしょう。

きれい事を言えば「国民のため」ですが、他の件を見ていくと、あまり納得の行く回答ではありません。(悲しいことに)
どちらかといえば、「国民への実績アピール」「経済循環で好景気狙い」などの方がしっくりきますが、政府はこの点についてのはっきりした答えを出していません。

専門家によると、「値引きを盾にスマホ(携帯)税なるものを徴収するのでは?」という声も上がっています。今まで、酒税やパチンコ税など、様々な娯楽に税を課してきた政府なので、全くありえない話ではないでしょう…。

格安スマホ市場を脅かす問題

大手が安くなったら格安スマホは必要性↓

格安スマホはその名の通り、安いことにこそ意味を持ちます。
単純に考えれば利益率は大手ほど上がりませんが、それでも市場で生き残っているのは安さという点で大手との差別化を行えているからです。

もし、大手の大幅値下げが実現されたら、格安スマホは市場縮小を余儀なくされ、場合によっては格安スマホというもの自体が無くなる可能性があります。

いくら大手が安くなっても現在の格安スマホと同程度になるとは考えにくいので、格安スマホが無くなったら結果的に損をするのはユーザ側になります。

まとめ

今回は携帯電話料金の値下げに関する情報をまとめました。

2020年の年末になって、ようやく希望が見えてきた状況ですが、一番最初に政府の言っていた抜本的な問題解決には至っていないません。
その兆しが見えた今、これからの各社の動向に期待です。

以上

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