こんにちは、shunです。
元総理で、現オリンピック組織委員会の会長である森喜朗さんが炎上しています。
理由は「女性がいる会議は時間がかかる」などと言う女性蔑視の発言をしたからです。
ジェンダー(性差)問題についてナイーブな このご時世、上記のような発言をすれば炎上するのも当然でしょう。
とは言え、ニュースなどでは問題発言の部分のみが切り取られ、森喜朗さんの発言の意図が見えなくなっているように感じます。
今回は、森喜朗さんの問題発言、会長を辞めるのか、Twitterでの反応についてまとめていきます。
問題発言
まずは森喜朗さんの問題発言の全文と、その中でどこが問題視されているかを確認しましょう。
その上で「こういうことを言いたかったんだろうな~」という解釈の検討を進めていこうと思います。
全文
森喜朗さんの問題発言とされているのは2021年02月03日、日本オリンピック委員会の臨時評議員会の発言です。
評議員会と言うと聞き馴染みが無いかも知れませんが、一般企業における株主総会のようなものをイメージしてもらえばOKです。
その会において、森喜朗さんは以下のように発言したとされています。
これはテレビがあるからやりにくいんだが、女性理事を4割というのは文科省がうるさくいうんですね。
引用元:スポニチ https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2021/02/04/kiji/20210204s00048000348000c.html
だけど女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。
これもうちの恥を言いますが、ラグビー協会は今までの倍 時間がかかる。女性がなんと10人くらいいるのか今、5人か、10人に見えた(笑いが起きる)5人います。
女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです。
結局女性っていうのはそういう、あまりいうと新聞に悪口かかれる、俺がまた悪口言ったとなるけど、女性を必ずしも増やしていく場合は、発言の時間をある程度規制をしておかないとなかなか終わらないから困ると言っていて、誰が言ったかは言いませんけど、そんなこともあります。
私どもの組織委員会にも、女性は何人いますか、7人くらいおられますが、みんなわきまえておられます。
みんな競技団体からのご出身で国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりです。ですからお話もきちんとした的を得た、そういうのが集約されて非常にわれわれ役立っていますが、欠員があるとすぐ女性を選ぼうということになるわけです。
発言の問題点
「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」
「発言の時間をある程度 規制をしておかないと」
これが問題のメインとなったところです。
「女性がいると時間がかかる」という、客観的な根拠もない 明らかな女性蔑視と取れる発言に加え、「発言を規制する」といった表現の自由を奪うような排他的な発言までしています。
これは…もう……完全にアウトですね。
組織委員会の女性”は”「わきまえておられます」
一方で、「わきまえておられます」という発言を問題視する声も多く上がっています。
上記のような問題発言だけでは、委員会の女性陣を非難するようなものなので、それを避ける狙いかと思われます。
この「わきまえている」発言は直接問題ではないのですが、この発言の裏を返せば「委員会の女性はわきまえておられます」≒「一般の女性はわきまえない」と解釈されてしまいます。
「揚げ足取りだ」という声もありますが、ニュアンス的にはこのように解釈されても仕方がないですし、実際にTwitterでは「#わきまえない女」がトレンド入りすることになったので、この発言の存在は大きいです。
発言の意図 (個人的解釈)
森喜朗さんの発言を切り取ると、時代錯誤も甚だしいヒドいものですが、全文の流れから察すると「言葉足らずだっただけでは?」とも考えられます。
以下、完全に個人的な解釈ですが、森喜朗さんが言おうとしていたことを汲み取っていきたいと思います。
「女性がいると時間がかかる」は PTAとか保護者会における意識高い系のイメージ
「女性がいると時間がかかる」だけでは、あまりイメージが湧きませんので偏見的な見方だと言うのはもっともです。
ただ、発言をたどってみると「誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね、それでみんな発言されるんです」と言っていて、これについてはわかる気がします。
女性は男性と比較して、真面目な人が多いです。というよりは不真面目な人が少ないです。
周囲の人が発言していると「自分も言わなきゃ…!!」となるので、それが悪目立ちすると「中身のない発言で時間がかかる…」となってしまうのです。
対して男性は「中身が無いなら発言しない」と言うスタンスをとりがちなので、不真面目というレッテルが貼られることが多いです。
この辺りの発言する or しないについては、男女に関する心理学などでも述べられていますし、主観的にも納得できます。
悪い側面だけ見ると「女性だけだと時間がかかる」「男性だけだと意見が出ず、お通夜ムード」という感じなので一長一短ですね。
個人的に森喜朗さんの思ったのが、PTAや保護者会に似ているな…ということ。
複数の女性からグチを聞くのですが、「意味もないような質問をして意識高いアピールをする」人が多いとのこと。確かに、何となくイメージできてしまいます(^^;
女性についてだけ発言したのが まずかった… こうすべきだったのでは?
森喜朗さん自身も「新聞で悪口を言われる」「テレビがあるからやりにくい」などと、発言が危ないことは発言した時点で認識していたことがわかります。
なので最後の方において、フォローのつもりの「わきまえている」発言をして、結果として自分の首を絞めることになってしまったのですが、個人的にはこのフォローの仕方がまずかったと思います。
どれだけ後から女性についてのフォローをしても女性蔑視の発言を拭い去ることはできません。
それならいっそ「男性のデメリットについても言及すべきだったのでは?」と個人的に思います。
それならば「男女双方の苦手部分をカバーしていこう」みたいにキレイな感じにまとめられます。
また、女性だけを差別することにはならないので、仮にメディアに変な切り取られ方をしても弁解の余地はあります。
会長を辞めるのか
結論から言うと、森喜朗さん自身に辞任の意思はないそうです。(2021年02月04日 時点)
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炎上騒動を受け、森喜朗さんは謝罪会見を開きました。
その中で森喜朗さんは「オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な発言だった。深く反省している」と謝罪した上で、辞任については以下のように述べています。
「辞任するという考えはありません。
私は、一生懸命、献身的にお手伝いして、7年間やってきたわけですので、自分からどうしようという気持ちはありません。
皆さんが邪魔だと言われれば、おっしゃる通り、老害が粗大ごみになったのかもしれませんから、そしたら掃いてもらえば良いんじゃないですか」
「老害」「粗大ごみ」など、自虐めいたワードが印象的ですね。
会見によりむしろ、反発は増える一方
謝罪会見も終えて、騒動が少しは落ち着くかと思いきや、これがむしろ火に油を注ぐことに…。
冒頭で謝罪の言葉は発しつつも、辞任しないという無責任とも取れる発言や、会見の質疑応答などでは「面白おかしくしたいから聞いているんだろ?」「謙虚に受け止めております。だから撤回すると言っているんですよ」と、苛立ちながら逆ギレのような発言をしてしまいました。
これによって、会見を見た人の印象は悪くなるばかりで、「謝罪会見とは言えない」「逆ギレ会見だ」といった声も多く上がっています。
Twitterでの反応
この騒動を受け、Twitterでもトレンド入りを果たすなど話題を集めました。
ここではトレンド入りした「#わきまえない女」「#森喜朗氏は引退してください」のツイートの例を取り上げます。
#わきまえない女
森喜朗さんの「(委員会の女性は)わきまえておられます」発言に反発する、女性を中心とした人たちがこのハッシュタグを使っています。
議員や婦人会などのアカウントでは、上記のような抗議の意を募るツイートが見られます。
一方で個人的なつぶやきでは、以下のような「わきまえない女 で生きていくぜ!」という力強いツイートが、とても多いです…!

#森喜朗氏は引退してください
こちらは「#わきまえない女」よりダイレクトですね。
女性蔑視の発言内容だけでなく、オリンピック委員会 会長という立場への思慮が欠けている点や、その後の逆ギレ会見などから人間性を問う声も多いです。
(「引退」というとスポーツ選手なども使う広義の言葉なので、自分から辞める意味を含む「辞任」の方が適切だという意見もあります。)
こちらのハッシュタグは政治的な問題との見方からか、男性のツイートも多いです。

Don’t Be Silent 運動 (2021/02/06 追記)
今回の問題は世界的に波及することになりました。
森喜朗さんが日本のオリンピック委員会の会長であること、男女平等については日本より世界のほうがナイーブであることから、またたく間に広がりました。
在日大使館がTwitter上で#dontbesilentの発信
日本にある大使館のTwitter公式アカウントで#dontbesilentというハッシュタグで、抗議のツイートが発信されています。特にヨーロッパが多い印象です。
Don’t Be Silent…直訳すると「静かにするな!」という意味になり、おそらく森喜朗さんの「わきまえる発言」に抗議して「声を上げよう」「わきまえないでいこう!」という意味合いで使われていると思われます。
発端は森喜朗 個人の発言ですが、今回の1件で「日本では男女平等の点で遅れている」と世界的には思われることになるでしょう。
まぁ実際、世界的に見れば日本はそういった事に鈍感な方ですが…
(僕自身もここまで世界的に注目されるとは思っていませんでした;)
今はまだ国内の大使館のツイートにとどまっていますが、今後、世界的にメディアで注目されることも十分考えられます。
日本でのオリンピック開催に反対する国などでは、これを機に日本自体を否定してくるのも予想されます。

まとめ
今回は森喜朗さんの女性蔑視発言に伴う炎上騒動についてまとめました。
言わんとすることはわかりますが、「女性の意見を規制すべき」とも取れる発言は完全にアウトです。
ただでさえコロナ禍でのオリンピック開催について批判的な声が上がっている中、このような問題発言で炎上してしまうのは致命的でしょう。
差別問題やオリンピックに関連して、海外でもこのニュースは取り上げられています。
個人的には「最近は人の発言にとやかく言い過ぎ」「ニュースの偏向報道による印象操作がヒドい」と普段は思っていますが、さすがに今回の1件は発言がヒドすぎると思います。
平成生まれとしては「昨今の女性の社会進出について、高齢の方にとってはホントはこう思っているんだ…」という思いを抱いてしまうような、残念な発言でした。
以上
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