菅 義偉総理が追及されている学術会議問題とは何か

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2020年09月16日、第99代内閣総理大臣として菅 義偉が指名されました。総理指名時点では「令和」の元号発表を行なった印象が大きく、令和おじさんとして知名度が高い人ですね。そんな菅 義偉総理が就任直後、問題視されているのが「学術会議」問題です。9月から10月にかけ内閣支持率が60%後半から50%前半まで一気に落ちた原因ともいわれていますが、あまり聞きなじみの無い言葉です。
今回は学術会議問題の何が問題なのかについて要点をまとめて解説していきます。
※本記事では、以下、菅総理と略称します。(第94代の菅 直人総理と重複するので一応。)

学術会議問題の経緯

学術会議とは

正式名称は日本学術会議で、これは国家公務員で構成される研究組織です。1949年に設立され、現在は210人の主要な会員と約2000人の連携会員によって構成されています。設立されたのが戦後ということもあり、当時の反省を活かして「軍事目的のための科学研究を行わない」という声明を出していたり、公式HPの自己紹介文にも「政府から独立して職務を行う『特別の機関』」とあります。構成するのは国家公務員ですが、研究の側面では政治と直接関係ないことがわかります。

会員の選定方法と今回の問題

会員・連携会員の任期は6年で、その半分の3年で約半数が任命替えされます。会員だと210人なので、3年ごとに半分の105人が入れ替わる形ですね。会員の選定方法については、以下のような法律があります。


日本学術会議法
第7条2項 会員は、第十七条の規定による推薦に基づいて、内閣総理大臣が任命する。

URL:http://www.scj.go.jp/ja/scj/kisoku/01.pdf

少し補足しますと、流れとしては
STEP1. 今の会員・連携会員が、次の会員・連携会員を実績のある人から推薦する
STEP2. 内閣総理大臣が推薦された人を任命する
という流れです。

今回は上記の「STEP2.内閣総理大臣が推薦された人を任命する」において105人のうちの6人を、菅総理が任命しなかったことが問題になっています。

何が問題なのか

菅総理の行動の何が問題なのか、法律的と影響的からを中心に解説していきます。

法律的問題:法律に違反しているという主張

まず結論から言いますと、直接的な法律違反はありません。ただし、かなり特殊であるのは事実です。

キーワードとなっているのは会員の任命です。上の法律で紹介したように総理には会員の任命権があり、これだけ見ると総理が選ぶ権利があるように見えます。しかし、この任命というのは天皇による内閣総理大臣の任命など、形式的なものが多いです。内閣総理大臣については国会が「指名」します。なので指名で選ぶ、任命は儀式のような印象です。(僕も中学社会でそのような認識で勉強していました。)
もちろん、厳密には任命を拒否する権利もありますので法律違反ではないのですが、法律をある程度知っている人たちからすると「違反だ」という認識があるのは理解できます。

ちなみに、なぜ総理に任命権があるのかと言うと総理が国民の代表だからです。本来であれば国民投票によって決めるべきですが、国家公務員全てを国民が選ぶのは現実的に考えて得策ではないでしょう。なので、国民の代表である総理が任命するという間接民主制を体現した仕組みとなっています。

影響的問題:学問への政治的干渉

上記のように、日本学術会議の会員・連携会員は限られています。特に、今回任命を拒否されたのは主要な会員の方なので105人の内、6人は影響が大きいと言えるでしょう。

すると「菅総理が自分の思想に偏らせた研究機関にする」と考えられ得るのです。
日本学術会議は直接的に政治に口出しするわけではありませんが、公聴会など専門家の意見を聞く場合の参考人として選ばれる可能性があります。例えばITに関する法律をつくる際、専門知識のない人だけでは理解に限界があるのでITに関する専門家を招いて意見を聞くなどのシーンが考えられますね。そのような時、自分の思想に近い研究機関であれば意見を通しやすくなるのは明白です。

今回、任命を拒否されたのは全員「安全保障関連法に反対する学者の会」という団体の会員で、現在の安全保障制度に対して反対意見を持った人たちです。そのような共通点があるので、「菅総理が意図的に任命を拒否したのでは?」と考えられています。

心証的問題:現在公表している 任命拒否の理由が曖昧

菅総理は今回の問題について以下のように言及しています。

「民間出身者や若手が少なく、出身や大学にも偏りが見られることを踏まえ、多様性が大事だという前提に私が任命権者として判断した。今回の任命について、変更するということは考えていない」「個々人の任命の理由については、人事に関することでお答えを差し控える」

ざっくり言うと「バランスが悪いから拒否しちゃったよ~。任命拒否は変えないし、人事に関することだから理由はヒミツ!」っていうことですね。「多様性が大事」「人事に関することだから詳細は言えない」…仰っていることは正しいと思いますが、上記のような特殊な対応に対する答えとしては曖昧過ぎる印象です。あくまで個人的意見ですが、今のように曖昧にしたままでは国民の疑いは晴れず、信頼も落ちて行ってしまうのではないでしょうか。

まとめ

今回は学術会議問題についてまとめました。菅総理の行動について、法律的にはグレー寄りの白と言えますが、疑問点が多く今後、任命拒否の理由についてもう少し言及してもらうか、何かしらの行動で示してほしいと思います。

以上

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