GoTo見直しが3連休開始に間に合わなかった背景&分科会とは

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2020年11月21日、コロナ感染者の急増を受け、菅義偉首相がGoToキャンペーンの見直しする旨の発言をしました。
11月21日~23日の3連休でGoToトラベルを使う人が多いため、見直しのタイミングは3連休より前と予想されていました。しかし、見直しが発表されたのは連休に入ってからとなってしまいました。

なぜこのタイミングでGoTo見直しに踏み切ったのか、見直しに関係する分科会とは、という点についてまとめます。

連休前にGoTo見直しに踏み切らなかったワケ 重視したのは経済

GoToキャンペーンは菅首相が総理就任前から旗を振って進めていた、いわゆる肝いりの企画です。菅首相としても何とかして継続させたい想いはあったと思います。

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しかし、寒くなるにつれてコロナ感染者が急増している中でそんなことは言ってられません。専門知識のない一般人でも「このままではヤバい」という危機感はあったでしょう。それでも、GoToを継続させようとしていた一番の理由は経済効果です。

あくまで試算の段階ですが、GoToトラベルだけでも3.4兆円の支援効果が見込まれていたので、コロナ禍で落ち込んだ景気を回復させたい狙いです。特に、飲食店などのサービス業を含む第3次産業が盛んな日本では、守るだけでは経済が落ち込む一方なため、GoToはコロナ禍だからこそ必要な攻めの施策であると言えます。

見直しに踏み切ったのは分科会の進言から。提言の内容 と 分科会について解説

そんな状況の中GoTo見直しに踏み切ったのは、菅首相が発表する前日の11月20日に、分科会の代表である尾身 茂(おみ しげる)会長による提言があったからです。

分科会による提言の内容は公式HPのPDFで確認できますが、要約すると、以下のような内容になっています。

分科会による提言の内容

・現状、4段階のステージの内、ステージⅢ「感染者の急増」相当の都道府県がある。
 このままでは医療提供体制、経済、雇用への影響が甚大になってしまう。

・現状を見ると、感染リスクを高める「5つの場面」が社会に浸透していない、
 コロナ感染者の感染ルートが見えなくなっている、などの問題が見られる。

・この状況を踏まえ、感染拡大を防ぐためには個人の努力だけでなく、より強い対応が必要。

・具体的には
 「営業時間の短縮」「地域の移動の自粛要請」
 「Go Toキャンペーン事業の運用見直し」
 「小規模分散型旅行の推進、年末年始の休暇の分散化」などを提言

分科会とは?

ニュースで名前の挙がる分科会について確認しておきます。

分科会は内閣で行われる会議で、専門家を交えて行われる有識者会議の一種です。
内閣ではコロナ対策以外にもサミットの準備や原子力発電所問題など、様々な会議があるので、それぞれについて適した専門家を交えて会議を行います。そのため、内閣では多くの分科会がありますが、ニュースではわかりやすくするため、コロナ感染症対策の分科会のことを単に分科会と呼んでいます

有識者会議は直接的な決定権を持つわけではありませんが、国民の意見として内閣に提出されるため、その専門性も相まって内閣への影響はとても大きいです。

分科会の厳密な定義

内閣官房で扱われる有識者会議の枠組みは複雑で、ニュースなどでは上のように厳密ではない表現をされてしまうことがあります。
ここで一度、正式な枠組みについて確認しておきます。

コロナ感染症については、「新型インフルエンザ等対策有識者会議」で議論されています。
これは2012年の新型インフルエンザ流行に伴って発足したもので、新型インフルエンザやコロナウイルス感染症のような驚異的な感染力を持つ感染症に対しての、ワクチン流通や社会への呼びかけなどをテーマに議論します。

この有識者会議で扱うテーマは主に以下の3つで、それらを分科会と呼びます。

・医療、公衆衛生に関する分科会
・社会機能に関する分科会
・新型コロナウイルス感染症対策分科会

ニュースで言われる分科会は、3つ目の「新型コロナウイルス感染症対策分科会」です。

新型コロナウイルス感染症対策分科会 の活動

この組織は具体的にどのような組織で、どのような活動をしているのでしょうか?
以下、「新型コロナウイルス感染症対策分科会」を「新型コロナ分科会」と称して掘り下げていきます。

新型コロナ分科会は、その名の通りコロナ対策を推し進めるための会で、2020年07月03日に構成員が発表されました。
15人の構成員(+3人の臨時構成員)によって構成されていて、構成員は大学教授、弁護士、県知事など様々です。構成員は内閣総理大臣によって指名されます。

公式HPで活動の記録を見てみると、7月から頻繁に会議が開催されています。今回のGoTo見直しはもちろん、以前から提案されている「年末年始の休暇の分散化」や「東京をGoToトラベルに追加すべきか」なども新型コロナ分科会の提言によるものだとわかります。

HPでは普通のニュースでは報じられていないような専門的な内容がガッツリ掲載されています。興味のある方はこちらのリンクの中にある”新型コロナウイルス感染症対策分科会”の欄をご確認ください。会議資料や議事録などが残っているので、勉強好きな人にとっては面白いですよ!

今後の動向。3連休明けに詳細発表

新型コロナ分科会からの提言を受けて菅首相は翌日の11月21日、新型コロナウイルス感染症の対策本部でこの点について言及しました。
対策のすべてを講じたわけではありませんが、現段階で公に出ている情報を要約すると以下のような内容になります。

新型コロナ分科会の提言を受けての対応 by 菅首相

・感染拡大が一定レベルに達した地域で、都道府県知事と連携して強い措置を講じる。

GoToトラベルについては感染拡大地域への旅行の新規予約を一時停止

GoToイートについては、食事券の新規発行の一時停止ポイント利用を控える検討。
 営業短縮を要請する場合は、各都道府県の地方創生臨時交付金の追加配分で支援する。

・国民の命を守るため、陽性者が確認された場合には入所者と(医療)従事者全員に国の負担で検査を実施する。

・改めて、会食時含むマスク着用、手洗い、3密回避等をよろしく。

…ということで、具体的な施策についての言及はかなり少ないです。
そちらについては連休明け11月24日までには発表があるとのこと。

まとめ

今回はGoToの見直しと、それに関係する分科会についてまとめました。

HPで分科会の活動を見てみると「4つのステージの決め方」「国民が遵守できていない感染症対策と理由」「制限を解除するタイミング」など、私たちがわからなくてモヤモヤしているあいまいな点についてもキチンと言及されていました。
分科会の資料などを見て、専門家の人達はきちんと考えて言及してくれているんだな…とホッとしました。当然と言えば当然ですが、公式の発表が曖昧なものばかりなので…。

分科会の権利は「内閣への提言」のみで、決定権があるのは内閣や各自治体となります。
菅首相や感染が拡大している地域の知事が、今後どのような判断をするのか注目です。

以上

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